八転び七起き

はじめましてKRZです。

2021年4月7日

6年ぶりに眼医者さんに行った。自分を愛おしく思うあまり、「目に入れても痛くない」ことを確認してしまったボクは次の朝に目に違和感を感じたからである。違和感が徐々に増してきて、目の玉を上下すると視野の左下に丸の文字がはっきりと見えるようになったのは一昨日のことである。もしかして重大な失明に繋がりかねないことを心配したボクは仕事あがりの夕方に近所の眼科に行くことにした。いつも帰り道に眺める昭和の風情を絵に描いたような眼科はだれも入る気配もなく、だれも出てくる気配もない。しかしいざ病院のドアをあけると待合室には椅子に座り切れないほどの患者さんがいた。ちなみに玄関の右にトイレがあって、ボクが玄関から一歩踏み込もうとしてトイレに入ろうとする別の患者さんと鉢合わせになった。清々しく昭和な間取りだ。春先は自分を目に入れてしまうひとが多いのかもしれない。みなそんな目の違和感を感じながら待合室のテレビで東京オリンピックの水泳の予選を見ていた。看護師さんが問診票を手渡してくれたので素早く書き込んで手渡した。少し待っているとその看護師さんが座っているボクのところにやってきて問診票に書き込んだことを丁寧に時間をかけて確認をした。確認しなおすなら初めから対面で質問してくれればボクはもう少し自分のことをうまく語ることが出来たかもしれない。そんなふうに目医者での時間は始まった。これが物語の始まりであることを後々知ることになる。