八転び七起き

はじめましてKRZです。

2021年4月3日

季節の移り変わりがまるで汽車からぼおっと眺める車窓のように目まぐるしく変わっていくように感じるようになったのは6年前ごろからである。そうだ、ボクにとっては2009年から2015年までの6年間は季節が全く変わらなかったからかもしれない。2009年、ボクの季節は夏で突然とまり、そして何の前ぶりもなく6年後に急に秋が来たのである。その6年ぶりの秋には当然のことだが日も短くなり、次第に気温も下がりはじめた。6年間鳴き続けた蝉も姿をひそめ、ショートパンツの女の子たちは突然冬のブーツを履いて歩く。ボクは半そでのTシャツの上に着るための長袖のパーカーを駅前の図書館の下の階のお店で買った。同じものを2枚購入して家に帰るとキッチンのテーブルの上にならべて眺めた。背中にはよくわからないが番号が書いてある。それも208と209。なぜこの数字なのか、よくわからないが、どこかの小説にならそのヒントは書かれているのかもしれない。秋も深まったある日、毎日シャンプーをしているのに頭の一か所がかゆくなってきて、そのかゆみが徐々に痛みのようなものに変わってきた。同僚が心配してくれたので皮膚科にいって診てもらうと薬を飲むように言われた。頭が痛かゆいだけなのに飲み薬を貰うなんてと思ったが、それは初めてかかる帯状疱疹というものだった。それが6年ぶりの冬の訪れのサインだったのだろう。その年から季節は復活した。しかしそれ以前よりもこころなしか季節の移り変わりが早くなったと思う。実に興味深い現象である。