八転び七起き

はじめましてKRZです。

2021年4月25日

アマゾンは世界を変えた。ボクの生活のほとんどはアマゾンで事足りる。いや生活そのものがアマゾンである。ミネラルウォーター、朝食のシリアル、ビタミンサプリに、はたまた一昔前は売っていなかったグッズまでこの頃は取り扱いが始まっている。愛、自由、希望、夢。なんでもアマゾンである。しかしこうして考えてみるとアマゾンでは買えないものなんてあるのだろうか。少し考えたが全く思いつかない。なぜならほとんどのものが本当に買えてしまうからだ。実によい時代になったものである。今年は何年だ?パソコンの画面の小さな表示をみる。2021年。本当に2021年なのだろうか・・・。もしかすると夢なのかもしれない、なぜならばアマゾンでは夢も買えるので今こうして現実と思っている世界も実は夢なのかもしれない。不安になったボクは試しにアマゾンで購入した「夢ではないことを確認するためのほっぺたをつねる」グッズで確認してみた、確かに痛い。間違いなく現実である。さすがに高かっただけのことはある。「夢ではないことを確認するためのほっぺたをつねる」グッズは980円だった。ちなみにAmazonで売られている「夢」は10億円である。時代はなんでもクレジット払いなので決済は瞬時に済む。高い買い物も気楽なものだ。しかもお金だってアマゾンで売っている。アマゾンで購入したお金でアマゾンから購入したグッズの代金を支払う。実に便利で合理的である。しかしある日ボクはアマゾンから物を買うのをやめた。それは急におきた劇的なことであり、先月までの引き落とし額が今月は突如ゼロ円になったのでアマゾンから直接に電話連絡がきたくらいである。「お客様、なにかお気に召さないことでもございましたでしょうか」。電話口でオペレーターの女性は頭を深々と下げているのが伝わってくる。ボクは、「いえそんなにお気にされないでください、あなたのせいではないですので」。電話を切り終えてため息をついたボクは部屋中に積みあがったアマゾンの空の段ボール箱の山を眺めた。昨夜地震があってこの段ボールの下敷きになりかけた。これは大きな盲点だった。アマゾンでは「命」は売っていないのである。