八転び七起き

はじめましてKRZです。

2021年7月3日

鉄が欠乏すると元気がなくなるらしい。少し考えれば当然のようにも思える。なぜなら鉄は赤血球には大事な成分だからだ。さて、鉄を多く含む食べ物はいろいろあるが、やはりナンバーワンはレバーだろう。レバーと言えばなんといってもスタミナ注入レバニラ炒めだ。妹からそんな鉄と元気の関係を聞いた次の日に、ボクはさっそくセブンイレブンでレバニラの総菜を買って食べた。そして元気が出るかどうか様子を伺っていた。しかし元来ボクは元気がないわけではないのでレバニラの効果があるのかどうかなどは分からない。しかもこういうのはすぐにメキメキと効果が出てくるものでもないような気はする。そもそもが何かを食べたから元気が出るような気がするというのは殆どが「気のせい」だと思う。こういうのをプラセボ効果というが、プラセボという言葉は喜ばせるというラテン語に由来しているらしい。プラセボというのは医学的には薬効の比較に使う偽の薬のことだ。偽の薬で喜ばせてあげるという意味なのだろうか。まあ言葉はともかくも、薬の効果が気のせいではないこと検証する際にプラセボグループを設定して薬の効果を客観的に比較するといわけである。製薬会社が実施する臨床試験ともなると気のせいなどという不真面目なことは言えない。このような試験は何十億円もかけて実施されるもので、医学研究のなかではもっとも大がかりで信頼性があり、そして影響力も偉大である。承認される前の最終試験などは数百人単位の2グループに分けて、片方は薬で片方は偽の薬を飲んでもらう。そんな大真面目な試験なのにプラセボグループでも薬の効果が出ることがある。「うそちゃうか~?」とビックリするくらい人間の心理というのは面白い。基本的にはこのような試験に参加してもらえるボランティアさん(患者さん)はお薬の効果を必要とするなにかの病気を持っているわけであり、そのお薬の効果についても事前に説明を受けるわけだ。だからどんな効果が出るのかなどの「手の内」は分かっているわけだが、自分に割り当てられる薬が偽物かどうかは分からないようになっている。たとえば鉄の配合された錠剤とまったくなにも入っていない錠剤が見た目が区別できないように作られてボランティア患者さんは目隠し状態で飲むわけだ。もちろん本当の目隠しはしない。サングラスもしない。そして何週間か経って、元気が出たかどうかをご本人の感想としてアンケート回答してもらうと、鉄の入っていない偽の薬を飲んでいても、「そうねえ、なんか元気が出たような気がするかも~」という人が何割か出てくるのである。全く、病は気からというか、鰯の頭もなんとやらである。しかもそれが自分自身で回答する形式ではなく、ただの数値的な検査機器で変化があるかないかを調べる場合でもプラセボ効果は出るのだから笑えてしまう。ネットなどに載っている「東京の名医ランキング」などのトップにおられるお医者様なんかは、その先生に診てもらってちょっと薬をもらうだけですごいプラセボ効果があるのだろう。人間というのがそもそもよくできているということだ。笑うだけで福がきて、元気になるのも同じ作用なのだろう。これも立派な医学的効果というのであれば病院の内科や外科のほかに「プラセボ科」を作るというのもありだろう。保険は使えるのだろうか。